黄華堂☆星空ブログ

黄華堂の活動や、星空情報、宇宙・天文に関するNEWS観望会で使える小ネタ等を紹介していきます。
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宇宙×◯◯ Vo.32 〜電波〜
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    今回の宇宙×◯◯は、「宇宙×電波」です。

    みなさんは、「電波」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
    携帯電話の電波ですか?それとも電子レンジでしょうか?

    電波とは、光と同じ電磁波の一種で、可視光のうち波長の長いものは赤色光ですが、さらに波長を長くすると赤外線、それをさらに長くすると電波、となります。電波の波長は0.1ミリメートルから100 キロメートルにもおよび、私たちの生活の様々な場面で利用されています。ラジオ・テレビ・携帯電話・防災無線・航空機通信・無線LAN・レーダー・衛星通信・電子レンジ・電子マネー・・・などです。

    とっても役立つ電波ですが、同じ波長の電波を2 人以上が同時に使うと、信号が混ざってしまって、通信が上手くいかなくなります。そこで限りある電波の帯域を仲良く利用する必要があるのです。


    さて、天文学にとっても電波は重要です。宇宙からやってくる電波を観測することで、目に見える可視光とは異なる宇宙の姿が見えてきます。たとえば、銀河を可視光で見た時に光っているのは、たくさんの星々ですが、電波で見るとガスからの放射が明るく見えます。つまり、可視光だけでなく電波も使って観測することで、銀河の本当の姿が見えてくるのです。しかしながら、宇宙からの電波は生活で使う電波と比べて微弱で、多くの宇宙電波は月に置いた携帯電話から地球に届く電波よりも弱いくらいです。


    電波を使う時のルールでは、電波天文学のために保護される波長帯が決められています。しかしながら、宇宙からの電波は幅広い波長帯におよんでいるので、決められた波長以外でも観測する必要があります。そんな時に、すでに生活で使われている電波がある、あるいはこれからその電波帯が使われようとしている、といった場合は、その電波を発信する人 (企業など) と相談し、観測所の周囲では使わないようにしてもらう、違う波長帯を使ってもらう、または電波ではなく有線を利用してもらう、という話し合いをするのです。

    このように、電波天文学の世界にも実社会と結びついた裏話があります。電波を使った観測は、みなさんが普段の生活に使う電波と共存し、成り立っているのです。ぜひ、みなさんも携帯電話よりもずっとずっと弱い電波をキャッチして、宇宙の謎に挑む電波天文学に思いを馳せてみてください。


    参考文献/HP
    【1】国立天文台 電波専門委員会 電波天文周波数小委員会
    【2】電波環境委員会 くらしの中の電波
    【3】総務省 電波利用ホームページ

    By Tazaki

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    突撃!隣の天文台 Vol.20 〜バンドー神戸青少年科学館〜
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      今回は神戸市にあるバンドー神戸青少年科学館について紹介します。

      バンドー神戸青少年科学館には力としくみの科学、生命の科学、創造性の科学、物質とエネルギーの科学 、情報の科学、宇宙と地球、神戸の科学と技術、天体観測室、プラネタリウム等たくさんの展示があります。

      飛行機の操縦体験、てこや滑車を実際に体験する等の体験型の展示や神戸の街をや自然を大規模な3 次元空間、CG で表現したものや、大型モニターを利用した展示が多数設置してあり、「科学はちょっと苦手・・・」という人や子供も楽しめることと思います。

      天体観測室では、口径25cm の屈折望遠鏡「たいよう」で、太陽の黒点やプロミネンスの観測ができます。プラネタリウムでは、直径20mのドームに広がる星空空間には約2万5千個の星が投映されます。金・土・休日は19:00 の回が用意されているので、会社帰りや1日の終わりまで科学館を満喫することができます。

      展示のほかに、月に1 度、星空ウォッチングという天体観測会があり、プラネタリウムで解説を聞いた後、屋上で望遠鏡を使って、本物の星を目にすることができます。神戸にお立ち寄りの際は、ぜひ足をのばしてバンドー神戸青少年科学館へ!ただし、一般駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用ください。

      by shiota



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      6月の星空 vol.115
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        6 月となりました。基本的には暖かいですが、朝晩冷え込むこともあり、まだ上着が手放せない時期ですね。6 月も後半になると梅雨真っ只中で星が見えづらくなるので、星を見るなら天気予報に晴れがある6 月上旬がチャンスです。

        星空では、引き続き木星が目立っていますが、同じ時刻でも見える位置が変わり季節が進んだことを感じます。また、季節変化だけではなく、木星と、木星の近くに見えているスピカとの間隔も1,2 ヶ月前と比べると開いています。

        惑星は太陽の周りを回っているので、星座を作る星に対して位置が変わって見えます。木星は動きが遅いですが、1 ヶ月単位で見ていると、位置が変わったことが実感できます。ちなみに、今木星は星座を作る星に対して西へと移動をしています(太陽や月と反対なので「逆行」と呼びます)。6月10日に「木星が留」とあり、この日を境に移動する向きが反対になり、東へと「順行」するようになります。東へ動いたり、西へ動いたり、人々を惑わせるのが、「惑星」なのです。

        6 月は他にもの惑星がも見やすくなっています。
        3 日には「金星が西方最大離角」となり、明け方に見やすくなっています。15 日には「土星が衝」となります。衝は地球から見て、ある惑星と太陽がちょうど反対方向になることで、この時期はその惑星をほぼ一晩中観察することができます。

        惑星以外では、東の空に夏の星が昇ってきているのを見ることができます。頭の真上近くには春の1 等星アークトゥルスがあり、明るく目立っています。そこから東の空に目を移すとアークトゥルスと同じくらい明るい白い星が見つかります。その星がベガ、もしくは日本では織姫星として知られている星です。そこから低いところに向かってあと2 つ明るい星を結ぶと、夏の大三角になります。まだ空高くは昇っていないこの時期は、見やすい時期ではないですが、上を見上げなくても目に入るので、ふと空が開けた時に「あの星なんだろう?」と思うことがあります。

        また、9 日には満月となり、同じ日に「月の距離が最遠」となっています。月は地球の周りを回っていますが、楕円軌道のため、いつも同じ距離ではなく、近い時と遠い時があります。今回は遠い時に満月となり、今年の満月の中では一番小さく見えます。反対に、今年一番近づいて大きく見えるのは、12 月4 日です。同じ設定で、写真を撮っておくと、大きさの違いを比較することができます。


        6 月の天文現象いろいろ
        ■ 1 日 上弦(21:42)
        ■ 3 日 金星が西方最大離角(明け方東の空に見やすい)
        ■ 5 日 芒種(太陽黄経75°)
        ■ 9 日 月の距離が最遠(07:21、40 万6401km、視直径29'.4)、満月(22:10)
        ■ 10 日 木星が留
        ■ 11 日 入梅(太陽黄経80°)
        ■ 15 日 土星が衝(0.0 等、視直径18".4)
        ■ 17 日 下弦(09:33)
        ■ 21 日 夏至(太陽黄経90°)
        ■ 23 日 月の距離が最近(19:52、35 万7937km、視直径33'.4)
        ■ 24 日  新月(11:31)

        参考文献/参考HP
        【1】白河天体観測所

        by Suzuki & Moritani


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        黄華堂検定 Vol.99 〜カッシーニ〜 答え
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          先日の「黄華堂検定 Vol.99 〜カッシーニ〜」の答えです!
          みなさんどのくらい答えられましたか??


          (1):(あ)土星の環(リング)に隙間を発見した
          カッシーニはパリ天文台の初代台長を務めた人物です(彼の子、孫、曾孫もパリ天文台長を経験)。彼は土星の環が複数の環の集合体であることを初めて発見しました。彼が発見した土星のA 環とB 環の間の隙間は、カッシーニの間隙と呼ばれています。なお、土星最大の衛星タイタンを発見したのはオランダの天文学者ホイヘンスです。カッシーニは土星の衛星のうち、イアペトゥス、レア、ディオネ、テティスを発見しています。

          また、カッシーニも月面図を作成したことで知られていますが、初めて月面図を作ったのはイギリスの科学者ギルバートだと言われています。


          (2):(い)ホイヘンス
          タイタンへの着陸機は、まさにそのタイタンを発見したオランダの天文学者ホイヘンスの名が付けられました。彼は土星の環がリング状のであることを初めて確認した人物としても知られています。エンケはドイツの天文学者で、彗星の軌道計算などの業績が有名ですが、土星の環の詳細な観測も行いました。サトゥルヌスは、土星の英語名サターンの由来となった、ローマ神話の農耕神のことです。


          (3):(う)パイオニア11 号
          初めて土星に接近し、観測を行った探査機はパイオニア11 号です。1979 年に土星の上空20,000km まで接近しました。ボイジャー1 号も土星に接近し、様々な発見をしています。パイオニア10 号は木星のみ探査を行い、土星には接近していません。

          By Tsukada

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          黄華堂検定 Vol.99 〜カッシーニ〜
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            最近は、土星の第2 衛星エンケラドスの噴出物の話題など、今年9 月に活動を終える土星探査機カッシーニの話題が盛り上がっています。というわけで、今回の黄華堂検定は探査機カッシーニについての問題です。

            (1)探査機カッシーニの名前の由来となったのはフランスの天文学者カッシーニです。次のうち、彼の業績なのはどれでしょうか。

             (あ)土星の環(リング)に隙間を発見した
             (い)土星最大の衛星タイタンを発見した
             (う)初めて月面図(月の地図)を作成した


            (2)探査機カッシーニには、衛星タイタンに着利着陸するための着陸機が搭載されていました(着陸には見事成功)。その着陸機の名前は何でしょうか。

             (あ)エンケ
             (い)ホイヘンス
             (う)サトゥルヌス


            (3)探査機カッシーニは初めて土星のまわりを周回した探査機ですが、これまでにもいくつかの探査機が土星に近づき近接探査を行っています。では、史上初めて土星に接近した探査機は次のうちどれでしょうか。

             (あ)ボイジャー1 号
             (い)パイオニア10 号
             (う)パイオニア11

            By Tsukada

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