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あなたの知らない宇宙 〜知ってる?X線天文学〜
はじめにX線について簡単に説明します。可視光や電波は波長(単位:m)で表すことが多いですが、X線は一般的にエネルギーで表され(E=hνより)、単位はkeV(キロエレクトロンボルト)がよく使われます。温度に換算すると1keV=1千万度ほどとなります。とても高温ですね!また、10keV以下を軟X線、10keV以上を硬X線と呼びます。X線天文学ではこのような電磁波を用いて観測をします。 X線天体は高エネルギーの電磁波を放出できる環境を伴います。たとえば、1000万〜1億度の高温天体(恒星コロナ、天の川、超新星残骸、銀河団)や強重力天体(ブラックホール、中性子星、白色矮星)などです。あまり聞きなれない天体もあるかもしれません。しかし、宇宙で観測可能な物質の90%は高温のプラズマ状態であり、宇宙はX線天体だらけなのです!!このことからX線観測の重要性がわかると思います。 ![]() しかし、問題もあります。上の図は縦軸が高度(気圧)、横軸が波長で示されています。黄色の領域がX線で、X線のほとんどが地球の大気に吸収され、地表までたどり着かないことがわかります。地上での観測は難しいのです。そのため、X線領域では主に衛星による観測が行われています。これまで日本のX線望遠鏡は5機運用されてきましたが、2015年度に次期X線天文衛星ASTRO-Hが打ち上げられる予定です。 ASTRO-Hの科学的な目的は ・宇宙の大規模構造と、その進化の解明 ・遠方(過去)の巨大ブラックホールの進化と銀河形成に果たす役割の解明 ・ブラックホール周りの時空構造の解明 ・粒子の加速メカニズムの解明 ・ダークマター、ダークエネルギーの解明 などです。 打ち上げの成功を祈りましょう! 【参考文献】 ・JAXA ASTRO-H計画とその目指すサイエンス by Seki ブログを読んだ感想などありましたら、是非コメントいただけると幸いです。 また、宇宙や天文に関してこんなことが聞きたいなど要望などもありましたら教えてください! バックナンバーはこちらをどうぞ!! 黄華堂ホームページ |
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