黄華堂☆星空ブログ

黄華堂の活動や、星空情報、宇宙・天文に関するNEWS観望会で使える小ネタ等を紹介していきます。
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あなたの知らない宇宙 〜ブラックホールの質量を測る〜
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    このコーナーでは「あなたの知らない宇宙」と題して
    天文学の少し専門的な知識を噛み砕いて紹介していきます。
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    「ブラックホールの質量を測る」

    * * * * *

    第17回(*1)では、ほとんどの銀河の中心には非常に重いブラックホール(太陽の100万倍以上の質量をもった超大質量ブラックホール)が存在すると紹介しました。

    銀河と超大質量ブラックホールには密接に関連があると知られており、日々研究が行われています。この関係を調べるためには超大質量ブラックホールの質量を求めることが必要になります。さて、一体どうやって巨大なブラックホールの質量を求めるのでしょうか?


    超大質量ブラックホールの体重測定にはいくつか方法があるのですが、一般的な方法として、
    ”銀河の中にある星の運動から中心のブラックホールの質量を測定する”
    というものがあります。中心のブラックホールの重力の影響を受けた天体の動きを調べることで、ブラックホールの質量を推定できることができます。ただ、この方法では銀河の中にある星を分離して見ないといけないため、銀河の構造を細かく見る必要があります。


    最近では、星の動きではなく、銀河の中心付近にある分子ガスの動きからブラックホールの質量を求める方法が提案されています。分子ガスは星などと比べて周りの影響を受けにくく、超大質量ブラックホールの重力による動きを測定しやすいのです。この手法を用い、アルマ望遠鏡(*2)を使って超大質量ブラックホールの質量が測定できたというニュースが報告され、銀河と超大質量ブラックホールの関係を明らかにする第一歩となりました(*3)。今後の研究成果も非常に楽しみです。


    可視光で観測された銀河NGC1097(ESO/R. Gendler)


    <参考>
    (*1)第17回 銀河中心に潜む天体 〜超大質量ブラックホール〜
    (*2)第28回 電波史上最高の視力で見える宇宙とは?〜アルマ望遠鏡〜
    (*3)アルマ望遠鏡 プレスリリース アルマ望遠鏡によるブラックホールの精密体重測定

    by Kawabata


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    あなたの知らない宇宙 〜まるでSF?地球外生命体探査!〜
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      このコーナーでは「あなたの知らない宇宙」と題して
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      「まるでSF?地球外生命体探査!」

      * * * * *

      みなさんは地球外生命体はいると思いますか?
      火星人や金星人などSFにも出てくるように、私たちの昔から地球外生命体への興味は尽きることがありません。今回はそんな地球外生命体がいる可能性と地球外生命体探査にをテーマに、フランク・ドレイクが考えた宇宙に生命がいる星の数を表す方程式「ドレイクの方程式」を紹介します。


      ドレイクの式 
      N = R* × fp × ne × fl × fi × fc × L


      N 宇宙における地球外生命の分布
      R* 人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数
      fp ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
      ne ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能となる状態の惑星の平均数
      fl 生命の存在が可能となる状態の惑星において、生命が実際に発生する割合(確率)
      fi 発生した生命が知的なレベルまで進化する割合(確率)
      fc 知的なレベルになった生命体が星間通信を行う割合
      L 知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)

      しかしここで用いられた色々な値は未だわからないものばかりで、Nの値は明らかになっていません。しかし多くの科学者はN>1だと考えています。つまり宇宙には少なくとも1つは地球以外にも文明を持った生命体がいる、という可能性が十分にあるということです。ですが、今までそのような生命体はおろか地球以外では生き物すら発見されていません。


      また「地球外生命体と交流することはできないか?」とさまざまな試みも行われています。宇宙人と交流なんてまるでSFの世界のような話ですが、いたって真面目な研究です。まず1960年にはドレイクらによって電波望遠鏡で宇宙人からのメッセージを捉えようという「オズマ計画」が始まりでした。その後1972〜73年に打ち上げられたパイオニア10号・11号には人間の絵や地球の位置などを記したメッセージボードが搭載されました。このメッセージボードは宇宙での侵食から守られるように搭載されているそうです。

      さらに1977年には“地球の音”や“さまざまな国の言葉の挨拶”を収録したレコードが搭載されたボイジャー1号・2号が打ち上げられました。2つのメッセージはいつかどこかの宇宙人が発見してくれたときに、宇宙人に対しての人間からの手紙なのです。そしてボイジャー1号・2号は世界で初めて太陽系を飛び出しつつあります!これらのメッセージがきっかけで、いつか宇宙人と交流できる日がくるかもしれませんね。

      空を見上げながら、地球外生命体へのメッセージを積んで飛び続けている探査機といつか見つかるかもしれない地球外生命体へ思いを馳せてみてください。

      by Ono

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      あなたの知らない宇宙 〜明るい新星 いて座新星2015 No.2〜
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        「明るい新星 いて座新星2015 No.2」

        * * * * *

        恒星の明るさが急激に増すことで肉眼でも観測できるほどにもなり、まるでそこに新しい星が誕生したように見える天体には、主に新星超新星の2種類があります。超新星は、恒星がその生涯の最期に大爆発を起こすことで非常に明るく輝きます。だんだんと暗くなったあと、そこに元の星は残っていません。


        一方、新星恒星が数日の短期間のうちに9〜13等ほども明るくなり、だんだんと暗くなったあと、増光前の元の状態に戻ります。なので同じ星にて同じ現象が数十年から何万年といったスパンで再発したりもします。新星の本体は二つの星が近い距離でお互いに周っている近接連星系で、巨星に進化しつつある片方の星からもう一方の白色矮星へとガスが流れ込み、白色矮星の表面に降り積もったガスが核爆発を起こすことで、急激に明るく輝きます。


        新星想像図

        さて、実は去る2015年3月15日にオーストラリアのJohn Seach氏によって、いて座の空に非常に明るい新星が発見されました。発見時の等級は約6.0等、なんとこれは(非常に暗い場所に行けば)肉眼でも観測ができるぎりぎりの等級です!!名前は『いて座新星2015 No.2(Nova Sgr 2015 No.2)』となりました。(No.2というのは、今年いて座で見つかった新星がすでに2つ目だからです。すごい!!)日本から肉眼で観測できる新星としては、2013年のいるか座新星以来2年ぶりとなりました。


        この新星は発見後、1週間程かけてゆっくりと明るくなり3月21〜23日頃には4等ほどまで明るくなりました。その後3月25、26日頃はいったん6等ほどまで暗くなりましたが、4月4、5日ごろにかけては最初の極大光度と同じく4等ほどまで明るくなるなど、再増光現象を何度か起こしているようです。


        新星現象は、だんだんと暗くなっていくものですから、時が経てば経つほど観測するのは難しくなってきます。もしかすると5月は、この新星を肉眼で観測できる最後のチャンスかも知れません。是非探してみてください。


        いて座の新星の位置(ステラナビゲータ)

        by Fukushima

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        あなたの知らない宇宙 〜宇宙のリチウム工場を新発見!〜続き
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          このコーナーでは「あなたの知らない宇宙」と題して
          天文学の少し専門的な知識を噛み砕いて紹介していきます。
          今回は3月7日に更新した「宇宙のリチウム工場を新発見」の続きです。

          「宇宙のリチウム工場を新発見!」続き

          * * * * *

          リチウムといえば、みなさんも携帯の充電池などで聞いたことがあると思いますが、
          そのリチウムは、ビッグバン時に作られるとともに、恒星のなかや今回の新星、超新星、星間空間などさまざまな場所でつくられると考えられていました。その上で、リチウムの生成はさまざまな天体や現象に関わっているため、
          「リチウムがわかれば宇宙がわかる」
          といっても過言ではないと言われているのです。



          銀河系内のさまざまな星のリチウム量の測定などから、
          どのようなプロセスでどの程度のリチウムが作られるのか研究され、
          最近では寿命の長い星(質量が小さい星)が関係する新星爆発
          重要なリチウムの起源であると推定されるようになってきました。


          しかし、
          リチウムが生成される証拠を観測で直接確認できた例は、これまでありませんでした。
          今回リチウムを生成・放出している天体が初めて直接的に観測されたことで、新星爆発が宇宙空間における非常に効率の良いリチウムの工場の1つである可能性を示しました。そして、この発見をきっかけとして今後さらに多くの新星爆発が観測されることによって、今まで大きな謎であった宇宙のリチウム進化の姿を明らかになることが期待されるのです。


          余談ですが、今回のいるか座の新星を発見された方は、
          板垣公一さんと言われるアマチュアの天文家です。

          これまでにも幾度となく新星爆発や超新星爆発といった突発天体(急に明るさが変わる星などを)を発見されています。こうした新発見には、研究者とアマチュア天文家の日々の努力が合わさってなされていることも、ぜひみなさまの頭の片隅においてもらえると幸いです。

          参考:すばる望遠鏡ホームページ


          by Noguchi

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          あなたの知らない宇宙 〜宇宙のリチウム工場を新発見!〜
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            「宇宙のリチウム工場を新発見!」

            * * * * *

            みなさんは、新星爆発という天文現象を知っていますか。

            『期待の新星!』という言葉が日常的に使われることもあるので、
            「急に現れたすごい人」などと大まかなイメージはお持ちかもしれません。

            『新星』と名付けたティコブラーエも
            『夜空に何も無いところから突然現れた星』
            としてラテン語の「新しい」という言葉の意味を持つ言葉「Novae」を使用しました。
            しかし、実際に新しく星が生まれたわけではなく、もともとそこに存在した2つの星
             (白色矮星と太陽のような星もしくはそこから進化した赤色巨星)
            の相互作用により生じるものであることが分かっています。
             (明るさは太陽の1万倍以上明るくなるほどの爆発です。)



            そんな新星は我々の銀河系で年間5個から10個ほど見つかるのですが、
            国立天文台や筆者の出身大学である大阪教育大学・名古屋大学・京都産業大学
            などの研究者からなる研究チームが2013年8月にいるか座に現れた新星爆発を
            ハワイにある『すばる望遠鏡』で観測し、水素・ヘリウムに次いで3番目に軽い元素である
            ”リチウム (Li)がこの新星で大量に生成されている”
            ことが突き止められ、Natureで発表されました。



            どうしてこの発見が偉大なのかというと、
            それは天文学の大きな課題の一つである物質進化モデル
            (ビックバン直後の宇宙には水素などの軽い元素しか無かった状態から私達の体を構成する炭素、窒素、カルシウムや鉄などの金属をはじめとする重い元素が生成される過程)を突き止めるために重要な役を担うからです。

            続く

            by Noguchi

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            あなたの知らない宇宙 〜円盤を持つ星〜続き
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              2月16日に更新した「あなたの知らない宇宙 〜円盤を持つ星〜」の続きです。

              「円盤を持つ星」続き

              * * * * *

              円盤を持つ星「Be星」
              では、どうして星の周りに円盤が出来ているのでしょうか?

              Be星の多くは超高速で回転(自転)しています(100km/s〜数100km/s)。
              どのくらい高速かというと、
              赤道方向のプラズマが受ける重力と遠心力が殆ど釣り合ってしまうくらい高速です。
              (物体に働く遠心力はその回転速度が大きいほど強く働きます。)

              すると赤道付近にあるプラズマが「ちょっとしたきっかけ」で星の表面から逃げ出してしまいます。
              逃げ出したプラズマが円盤として存在しているのです。


              一部、と言いましたがB型星の30%くらいがBe星だったりします。
              例えば
              ・カシオペア座のガンマ星("W"の真ん中の星)、
              ・さそり座のδ星(さそりの頭に当たる 3つ並んだ星の真ん中)、
              ・こいぬ座のベータ星(こいぬの頭にあたる星)
              これらは円盤を持つBe星です。
              すばる(プレアデス星団)にもBe星は沢山あります。


              マニアックだけれど意外に多いBe星。
              どうして高速で回転するようになったのか、
              プラズマが逃げ出すきっかけは何か、
              まだまだ解明されていないことだらけです。

              夜空を見上げた時に
              「実は円盤があるんだよね」
              と思って眺めてみるとまた一味違う宇宙が味わえる…かもしれませんね。

              by Moritani
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              あなたの知らない宇宙 〜円盤を持つ星〜
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                「円盤を持つ星」

                * * * * *

                突然ですが、皆さんは「星の周りに円盤」と聞いてどんなことを想像するでしょうか?

                天文学をされていなければ、星の周りに円盤なんて初めて聞いた方もいるかと思います。
                天文学を少しかじっていれば、恐らく惑星が出来る現場を想像するのではないでしょうか。

                ALMA望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)の活躍などによって、
                恒星が生まれる時に存在し、
                惑星の源となった原始惑星系円盤の様子が次々と明らかになってきました。
                ですが、今回話題にする内容は原始惑星系円盤とは無関係です。


                ALMA望遠鏡(国立天文台)
                ALMA望遠鏡で撮影された原始惑星系円盤(国立天文台)


                Be星(ビー・イー・せい)と呼ばれている天体があります。
                Bというのは星のスペクトル型[注1]でB型星は温度10000-30000度の恒星です。

                このB型星の一部は実は赤道方向に円盤を持っています。
                円盤、といっても1000度くらいのダスト(いわゆる塵)から構成される原始惑星系円盤とは異なり、
                温度が約 15000度もあるプラズマでてきている円盤です。
                大きさも全く異なり、1000天文単位くらいまで広がっている原子惑星系円盤に対して、
                Be星の円盤はたかだか数天文単位程度です。


                このBe星の円盤が恒星からの光を散乱して明るく光ります。
                その為に、 Hα線(水素の再結合線、波長658.3nm)が周囲の波長の光よりも明るい、
                いわゆる「輝線」と呼ばれる状態で観測されます。
                本来、恒星から見える Hα線は周囲よりも暗い「吸収線」と呼ばれる状態で観測されるので、
                ちょっと奇妙です。ですので輝線を意味する「e」を付けてBe星、と呼んでいます。
                (何とも味気ない名前ですね。)


                Be型星のイメージ図

                続く


                by Moritani
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                あなたの知らない宇宙 〜ブラックホールは本当に黒い?〜
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                  「ブラックホールは本当に黒い?」

                  * * * * *

                  みなさんは「ブラックホール」をご存知でしょうか?

                  宇宙にたくさんある銀河のほとんどには、その中心に巨大なブラックホールがあることが知られています。ブラックホールに吸い込まれようとしているガスが熱くなって光ることから、中心のブラックホールは黒くても見えるのです。


                  (国立天文台)


                  とはいうものの、実は誰もこの『黒い穴』を見たことがありません。
                  なぜなら見かけの穴のサイズはとても小さく、一番近い天の川銀河の巨大ブラックホールでさえ50マイクロ秒角、月の400万分の1しかないからです。


                  そこで事象の地平面望遠鏡 (EHT) というプロジェクトが始まっています。
                  事象の地平面というのは、光がブラックホールから出てくることができなくなる境界のことで、まさしくこのプロジェクトは「ブラックホールの黒い穴を見る」ことだけを目的としているのです。EHTは北米・南米・ヨーロッパ・南極の電波望遠鏡を組み合わせて観測網を作り、一つの巨大な (直径9000キロメートル!) 望遠鏡の性能を出そうとしています。


                  このプロジェクトが成功して初めて、私たちはブラックホールが本当に黒いのかどうかを知ることができます。ひょっとしたら5年後には
                  「ブラックホール撮影に成功!」
                  というニュースが流れるかもしれません。みなさん、お楽しみに (笑)

                  by Tazaki
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                  あなたの知らない宇宙 〜太陽に大きなほくろが出現!?〜
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                    このコーナーでは「あなたの知らない宇宙」と題して
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                    「太陽に大きなほくろが出現!?」

                    * * * * *

                    10/19頃、太陽に一つの変化が現れました。
                    ここ何年も観測されたことのないような巨大な黒点が現れたのです。この天体現象は、多くの天文学者の注目を浴びました。今回はその黒点について、少し紹介したいと思います。


                    国立天文台

                    黒点とは、文字通り、太陽表面に見える黒い点のことです。
                    これは本当に太陽のその部分が黒い色をしているのではなく、周りよりも温度が低いために、黒く見えています。この黒点が発生するのは、太陽の磁場が原因だと言われています。太陽は地球と同じように自転をしており、それによって太陽の磁場が絡み合い、ねじれます。この磁場のねじれが太陽表面に出てきたものが、黒点になります。

                    黒点は、形が変形したり、移動したり、数も変化します。これらの様子は、太陽の活動の指標になります。黒点の数が多いときには、太陽活動も激しくなり、この黒点の数は11年周期で増減します。現在、太陽は活動極大期に向かっており、大体2018年くらいに活動が極大になると言われています。

                    10月19日頃、そんな黒点が超巨大な姿で現れました。
                    この活動領域は「2192」の番号が付けられ、世界中の天文学者の心を捕えました。この黒点は太陽の自転に伴って次第に大きくなり、一時は木星をも飲み込むほどの大きさとなりました。

                    では、この大きな黒点は地球に何かしらの影響を及ぼさないのでしょうか。
                    かつて黒点が少ない時期、つまり太陽活動がおとなしい時期は、地球が寒冷化するということもありました。また、地球上での通信障害も、この太陽活動が関係していると言われています。オーロラが見られるのも、この太陽活動の影響です。では、今回現れた巨大黒点は、地球に影響を与えるのでしょうか。それは、正直まだ分かっていないそうです。
                    もしかしたら通信システムに問題が生じるかもしれませんし、きれいなオーロラを見ることもできるかもしれませんよ。

                    私たち人間にとって、一番身近な天体である太陽。身近すぎる故に注目してこなかった人も多いかと思いますが、これを機に、太陽のことも少し意識しながら生活してみてはいかかでしょうか。

                    ※太陽を観察する場合は、必ず日食グラスなどを使用し、直接見ないようにしましょう。

                    by MASUMOTO
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                    あなたの知らない宇宙 〜月が見えないはずが見える!?〜
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                      「月が見えないはずが見える!?皆既月食」

                      * * * * *

                      2014年10月8日、日本各地で皆既月食が見られました。
                      前回、日本で見られた皆既月食は2011年12月でしたから、約3年ぶりとなります。

                      さて、月食は月が地球の影に入り、月が隠されて見えなくなる現象です。皆既月食が月がすっぽり地球の影に入ってしまうもの。月がすっかり見えなくなってしまうのかと思いきや…実はまん丸の月が見えるようになるのです。だんだんと欠けていって、すべて見えなくなる…のではないのです。しかも見えるまん丸の月は赤銅色をしています。

                      これはいったいなぜでしょうか?

                      皆既月食中に月を赤く見せている犯人、それは地球の大気です。

                      地球に大気があるため、地球の影の輪郭ははっきりしていません。月食の画像を見ると、欠け際がくっきりとしていないことがわかります。(一方、大気がない月の影が地球に映る現象=日食は、その欠け際がくっきりしています)その大気は、太陽からまっすぐ飛んできた光を真っ直ぐ通さずに曲げてしまいます。
                      光の屈折と呼ばれる現象ですね。つまり、大気がなければ真っ直ぐに進んで月には当たらないはずの光が、地球の大気による屈折で地球の影の中に回り込み、月に当たるようになるのです。しかも、通過させるのは赤色やオレンジ色の光だけなのです。波長が短い青い光は空気中の気体分子や細かい塵に散乱させられてしまい、大気をほとんど通過することができません。波長が長い赤い光は散乱されにくいため、光が弱まりはしますが空気を通過し、月まで到達します。それゆえ、皆既中の月が赤銅色に見えるのです。


                      このようなメカニズムのため、皆既月食のときの月の色は毎回同じではありません。
                      地球大気中の塵によって光が散乱させらてれしまうということは、塵の量が多いと赤い光でさえ通過できなくなってしまうのです。

                      1991年6月、フィリピンのピナトゥボ火山が大噴火を起こしました。20世紀最大の噴火とも言われ、その噴煙は成層圏にまで達し火山灰が地球大気全体にまで広がりました。その2年後…1993年6月4日の皆既月食は、月の一部が赤く見えたもののほとんどが真っ暗で見えないという異様な皆既月食となったのです。


                      皆既月食の色は地球の大気の様子を知るバロメーターとも言えそうです。さあ、今回の月食はいったいどんな色に見えたでしょうか?
                      また、来年2015年4月4日にも皆既月食が見られます。その時はどのような色をしているのでしょうか?
                      それを確かめるのは…皆さん自身ですよ!

                      by TSUKADA
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